【短編】とじようの現実郷

エッセイと俳句。 最近はたまに小説。 人質を解放してください。

イクラは基本的に上を向いている

眠る時はうつ伏せで眠る。仰向けで寝ると天井に何かが居た時に怖いし、天井からなにか落ちてきた時に顔面や腹、局部などといった弱点に当たる可能性が高い。こうかはばつぐんだ。

小さな頃は一人で寝るのが怖くて、うつ伏せで寝たり、丸まって寝たりすることで身を守っていた。うつ伏せなら万が一幽霊がでても視界に入ることはないし、丸まっていれば防御力は最大値を叩き出している。

幽霊からの攻撃が物理防御力で計算されるのかは定かじゃないけども。

寝る時はうつ伏せで眠る。うつ伏せで寝ている人間は多いものだと思っていたけれど、そうではないようである。

いくら丼を食べた。いくらとは基本的に目が合う。上からどんぶりを覗き込むと、多くのいくらがこちらを見ているように思えてくる。

いくらは基本的に上を向いているようだ。

でも、たまにそっぽを向いている奴がおる。いくらも寝る時にうつ伏せやったり横向きやったりする奴がおるんやな。

基本的に上を向いて寝ているモノと、そうでない少数。まるで修学旅行の大部屋のようである。今から食われるとも知らんとな。

どんぶりにのせられた、紅鮭小学校のいくら達を愛おしく思った。

タイトルが良すぎて内容が追いついていない。愛おしく思おう。