【短編】とじようの現実郷

エッセイと俳句。 最近はたまに小説。 人質を解放してください。

ひげ

おじゃる丸で好きな回をふと思い出した。ほんまに存在するのかわからんのですけど、メモ代わりに書きます。

 

おじゃる丸は千年前の時代から月の穴という所を通って、現代にやってきたとかいう設定やったような気がする。

月一で満月の夜だけ故郷に帰ることが出来るはずである。

ある日、おじゃる丸の飼い主のカズマとそのお父さんが満月の夜にこんなことを話している。

「お父さんはヒゲを伸ばさないの?」

「なかなか伸びないんだよね、しばらく剃らないでみようか」

「うん、見てみたい!」

確かこんな内容である。

そんな会話を横目におじゃる丸は大好きな母上に会うために、千年前の時代に帰る。

しかし、会いたかった母親は忙しく、父親にしか会えなかった。おじゃる丸は父親じゃ嫌だと駄々をこね、現代に帰ってしまう。

それをあとから聞いた母親も心配しているような描写があったように思う。

次の月の満月の夜、カズマとお父さんは仲良さそうにこんな話をしている。

「だいぶ髭が伸びてきたよ」

「ほんとだ、触らせてよ」

先月と同じくその光景を横目に千年前の時代へと帰っていく。

今日はどうやら母親は忙しくなく、先月構ってやれなかった分、抱きしめてあげようとする。

しかし、おじゃる丸は一目散に父親の方に走ってゆき、こう言う。

「ヒゲじゃヒゲじゃ」

 

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