【短編】とじようの現実郷

エッセイと俳句。 最近はたまに小説。 人質を解放してください。

2022-01-01から1年間の記事一覧

お参り

屋台が並んでいた。縁日とかそういうものだったと思う。色々な屋台があり、ワクワクすると言うよりも沢山の色や文字を処理するので精一杯だった。どこかへと続く真っ直ぐな道の両脇に色々なお店が並んでいる。 手を繋ぐのが嫌いだった。特に両親や祖父母、叔…

劇場版

人を家に招待すると帰った時の喪失感が耐え難いので嫌だと1年前に投稿した。「おもてなし」参照 それとは逆で、グループでどこかに遊びに行った場合には、帰りに徐々に人数が減っていくという現象が起こる。 私はそれがたまらなく好きなのである。 普通別れ…

猫が好きでも嫌いでもない(仮

匿名性

1人で何かをすることに抵抗がない。 1人でファミレスやバーに行くし、1人で音楽フェスや美術館に行く。リラックマストアも1人で行くことが出来る。 誰かに1人で来ていると思われても気にしないし、全て自分のペースで事が運ぶからとても快適である。コンテン…

遊戯王

あいつはレアカードを兄にあげようと呟いた。あいつとその兄は喧嘩ばかりしているイメージだったが、自分のお小遣いで買ったパックに入っていたそれをあげるらしい。 兄弟のいないもう1人の彼は理解できないと言った。自分で買ったものなのだし、価値のある…

なんか新聞配達に投稿したやつ

眠れない夜がある。それは誰もがそうであるように、暗くて、不安で、憂鬱なものだ。秒針と天井を交互に見つめ、前髪をかきあげる。眠たくない。指の爪を見つめ、寝るということについて考える。この世界にはもう自分しかいないのだ。次第に考えることの規模…

練習

この逆剥けはもう手遅れだと思った。 もうこの真っ白な空間に来てからしばらく経つ。清潔に見えるが、本当のところどうなのか分からない雰囲気のこの病院は、特有の匂いで満たされている。ここに来るまでにすれ違ったのは老人ばかりで、いかにもその辺の病院…

蛍火や信号無視と2人乗り

ポテ投げ(ほかす(ステル)公募投稿版)

アルバイトでフライドポテトを揚げた。フライドポテトが苦手という人は珍しく、極少数だと思っているのだがどうだろう。そんなフライドポテトも悲しい結末を辿ることがある。アルバイト先で販売されているフライドポテトは、ライバル店のように皮がついてい…

急ぐなよ生き急ぐなよ散る桜

自由律

テレビ欄以外も見ればよかったな

LINEバブル

LINEグループは極力抜けない方がいい。 苦手な人がいるグループだからといって退出しない方がいい。 いくら嫌いな人であっても、時間が経てば100%なぜ嫌っていたのだろうと思う日が来る。時間というものは全ての怒り、悲しみなどの感情を和らげる。 些細なこ…

ボウリングボーリング

懲りずに某屋内複合型レジャー施設に来ている。 ここではボウリングを初めとしとした、カラオケ、UFOキャッチャーやビリヤード、ダーツなどといった娯楽が楽しめる。今日も行き場のない若者たちがここに集まり、整理番号片手に自分の番号がパネルに表示され…

ほかす(ステル)

アルバイトでフライドポテトを揚げた。 ポテトが嫌いという人は珍しく、極小数やと思っているのだがどうやろか。 アルバイト先で販売されているフライドポテトは、ライバル店の皮がついていてホクホクとした半月型のものではなく、The フライドポテトと言え…

登りラーメン

中華そばの汁がレンゲに登ってきている。 勘弁してくれ レンゲの持ち手に汁が登ってきているという事はすなわち、中に落としてしまったということを表している。登ってきているという表現が適切かどうかは分からないが、斜面になっているレンゲの持ち手をみ…

ひげ

おじゃる丸で好きな回をふと思い出した。ほんまに存在するのかわからんのですけど、メモ代わりに書きます。 おじゃる丸は千年前の時代から月の穴という所を通って、現代にやってきたとかいう設定やったような気がする。 月一で満月の夜だけ故郷に帰ることが…

イクラは基本的に上を向いている

眠る時はうつ伏せで眠る。仰向けで寝ると天井に何かが居た時に怖いし、天井からなにか落ちてきた時に顔面や腹、局部などといった弱点に当たる可能性が高い。こうかはばつぐんだ。 小さな頃は一人で寝るのが怖くて、うつ伏せで寝たり、丸まって寝たりすること…

句会

落葉 自転車のカゴに飛び入る枯れ落ち葉 掃除用具 これ以上絞れぬ雑巾枯芭蕉 木枯、凩 木枯らしに乗れぬ葉っぱが地を這って