【短編】とじようの現実郷

エッセイと俳句。 最近はたまに小説。 人質を解放してください。

エッセイ

完全めし

もずくなんて見た目は気持ち悪いし臭いも強烈だから食べられたもんじゃないと思っている、と早口で言った。気持ち悪いということを強調したトーンで。 さらに続けて、昔妹がフローリングに滑らせて部屋中がすごい臭いになった、ということも付け足した。 「…

ミニ

中学生の頃、幼なじみに 「あなた根に持つタイプやなー」 と言われたことがある。 心外である。 全然そんなことないのに、なぜそんなこと言われなければならないのだろうと、今でも思い出してムカついている。

サラリーマンショック!!

終電間際の最寄り駅の待合室で列車を待っていた。とても寒い日だった。1人だった待合室に第一ボタンの空いたサラリーマン風の男の人が入ってきた。遅い時間だ、仕事が忙しかったのだろうか。その人は疲れた様子で缶のコーンスープを飲んでいた。何故かその光…

お参り

屋台が並んでいた。縁日とかそういうものだったと思う。色々な屋台があり、ワクワクすると言うよりも沢山の色や文字を処理するので精一杯だった。どこかへと続く真っ直ぐな道の両脇に色々なお店が並んでいる。 手を繋ぐのが嫌いだった。特に両親や祖父母、叔…

劇場版

人を家に招待すると帰った時の喪失感が耐え難いので嫌だと1年前に投稿した。「おもてなし」参照 それとは逆で、グループでどこかに遊びに行った場合には、帰りに徐々に人数が減っていくという現象が起こる。 私はそれがたまらなく好きなのである。 普通別れ…

匿名性

1人で何かをすることに抵抗がない。 1人でファミレスやバーに行くし、1人で音楽フェスや美術館に行く。リラックマストアも1人で行くことが出来る。 誰かに1人で来ていると思われても気にしないし、全て自分のペースで事が運ぶからとても快適である。コンテン…

遊戯王

あいつはレアカードを兄にあげようと呟いた。あいつとその兄は喧嘩ばかりしているイメージだったが、自分のお小遣いで買ったパックに入っていたそれをあげるらしい。 兄弟のいないもう1人の彼は理解できないと言った。自分で買ったものなのだし、価値のある…

なんか新聞配達に投稿したやつ

眠れない夜がある。それは誰もがそうであるように、暗くて、不安で、憂鬱なものだ。秒針と天井を交互に見つめ、前髪をかきあげる。眠たくない。指の爪を見つめ、寝るということについて考える。この世界にはもう自分しかいないのだ。次第に考えることの規模…

ポテ投げ(ほかす(ステル)公募投稿版)

アルバイトでフライドポテトを揚げた。フライドポテトが苦手という人は珍しく、極少数だと思っているのだがどうだろう。そんなフライドポテトも悲しい結末を辿ることがある。アルバイト先で販売されているフライドポテトは、ライバル店のように皮がついてい…

LINEバブル

LINEグループは極力抜けない方がいい。 苦手な人がいるグループだからといって退出しない方がいい。 いくら嫌いな人であっても、時間が経てば100%なぜ嫌っていたのだろうと思う日が来る。時間というものは全ての怒り、悲しみなどの感情を和らげる。 些細なこ…

ボウリングボーリング

懲りずに某屋内複合型レジャー施設に来ている。 ここではボウリングを初めとしとした、カラオケ、UFOキャッチャーやビリヤード、ダーツなどといった娯楽が楽しめる。今日も行き場のない若者たちがここに集まり、整理番号片手に自分の番号がパネルに表示され…

ほかす(ステル)

アルバイトでフライドポテトを揚げた。 ポテトが嫌いという人は珍しく、極小数やと思っているのだがどうやろか。 アルバイト先で販売されているフライドポテトは、ライバル店の皮がついていてホクホクとした半月型のものではなく、The フライドポテトと言え…

登りラーメン

中華そばの汁がレンゲに登ってきている。 勘弁してくれ レンゲの持ち手に汁が登ってきているという事はすなわち、中に落としてしまったということを表している。登ってきているという表現が適切かどうかは分からないが、斜面になっているレンゲの持ち手をみ…

ハンドソープ

指を弄るのが癖だった。 さかむけが気になってはちぎっては投げ、秒針を見つめてはさかむけを毟る。割れた爪を剥いてはゴミ箱に飛ばし、2枚爪を剥がしては息を吹きかけていた。 高校生の頃この癖をどうしてもなおしたかった。血が出ることも少なくなかったし…

昨晩歯磨きをしたかということばかりを考えている。

朝が極端に苦手だ。どのくらい苦手かと言うと、ミニバスの大事な試合があるのにも関わらず、起きるのが嫌という理由だけで休むくらいである。 朝かよクソがと思うくらいである。 起きてすぐ死にてーと思うくらいである。 今日くらい休んでもなんとかなるやろ…

べべを買う

友人や先輩とお洋服を見に行くのが好きだ。特にここ数年は古着屋に入り浸っている。 インターネットで探せば好きなデザインの服は見つかりやすいし、いつでも見られるので便利である。でもやっぱりサイズ感や色味、質感が分からないし、届いてからイメージと…

エッセイ

歴史と筋トレは同じだ。量をこなせば量をこなすほど身になる。 筋肉は裏切らないとされ、知識は奪われないとされている。 僕は歴史が嫌いだ。過去のことばかり学んで、何になるのだ。他にやることがなくて暇で暇で仕方の無い人、現代に楽しみが見いだせない…

こういうの

こういうのは勢いだと思っている節がある。 「こういうの」という事で、あたかも「こういうの」という特定の事柄を指しており、勢いであるものと、勢いでないものを取捨選択し、その上で本当に勢いであるものを勢いで何とかしているふうに見せかけているが、…

穀潰し未満

おはようございます。僕です。最近バイトで浮いてます。やっていきます。はい。 皆さんは好きな食べ物はありますか。これだけはいくらでも食べられるみたいなね。 僕は好きな食べ物は色々あるんですが、食べるという行為があまり好きではないんですよね。 バ…